共著『失敗の本質と戦略思想』(ちくま新書)
本書は、日本の組織論研究においてロングセラーとなっている『失敗の本質』を、孫子やクラウゼヴィッツといった古典的戦略思想の視座から再読し、現代へとつなぎ直す試みである。『失敗の本質』は大東亜戦争における日本軍の組織的失敗を分析した研究として広く知られるが、その際には戦略概念を限定し、組織論の枠組みから作戦レベルに焦点を当てていた。その結果、「日本的組織論」の特質と限界が明らかにされた。
本書では、こうした枠組みを超え、孫子やクラウゼヴィッツの視座を導入することで、「戦略」というより広い観点から再検討を試みた。すなわち、大東亜戦争後に発展した学問としての「組織論」と、古典として受け継がれてきた『孫子』『戦争論』の知見を交差させることで、戦略のあり方やその本質を多角的に問い直すことを目指した一冊である。
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